置き去りにした心理的課題
眠れない。
相性抜群だと思っていた睡眠導入剤・マイスリー、一錠で効いていたのだが、それも、とうとう4錠飲んでも眠れなくなってしまった。
眠気は強い。
すごく眠たい、まぶたも重たい。
目なんか開けていたくない。
体もだるく、蛍光灯の光を浴びるほどに症状が悪化していくように思える。
真っ暗な部屋で静かに眠りたい。
しかし、暗闇で、睡眠欲が高まっていくほど、頭の中には次々に色んなアイデアが浮かび、この朦朧とした意識さえも決して手放してくれないのである。
それは、過去の悲しい出来事や後悔の念、当時の先生や同期との学び、関わってきた人の顔に何気ない会話など、とりとめもなく、いつまでも浮かび、脳内を漂っている。
それは私に何かを訴えようとしているかのようで、邪険にできないのである。
この強者の睡魔も打ち勝てない。
ある日、私はやっと悟った。
私は、私自身の内部に問題を抱えているのではないだろうか。そしてそれを解決すべき時期が来たのではないか。
つまり社会の一コマとして働き、社会的キャリアを積んでいく前に、解決しておくべき心理的課題があったのだ。
どうやらそれを置き忘れて社会人になってしまったようである。
だから今こうして仕事に行けず、途方に暮れて生きていたが、私のするべきことは仕事に行くことではないとはっきりした。
置き去りにしてきてしまった私の課題を、まずは解決するベきなのだ。
睡眠欲に従って自然に眠りにつけるようになる日がくるように。
私は明日から始めようと思う。